スタッフ日記

子持ち鮎の骨まで食べられる甘露煮

夏の川魚の代名詞“鮎”

世間では梅雨の時期になるこの季節、雨が多く、

あまり喜ばれることは少ないようですが、

うってかわって、この季節にアユ釣りが解禁となる地域が

多いため心待ちにしている方も多いと思います(^o^)

 

鮎という魚は、小鮎時代は川虫等の餌。大きくなると、

川のコケを餌にして育ちます。となると、大きくなった

鮎を釣るには、コケを餌にしなければならないわけですが、

コケを針に着けることはできません。

 

そこで、釣り師の間で考え出されたのが、友釣りです。

 

 

鮎は大きくなると、川底で一匹一匹が縄張りを作る習性が有、

自分のテリトリーに入ってきた鮎に体当たりをし、追い払う

行為を行います。

その習性を利用して、アユ釣りでは、囮鮎と呼ばれる鮎を

泳がし、囮鮎につけたハリに対象魚を引っ掛けて釣り上げる

“友釣”という他には無い釣り方をします。

 

常に囮鮎と、釣り上げた鮎とが上がってくるため、

見た目には2匹が同時に連れたように見えます ^^

 

ま、この当たりの話は話し出すと、とんでもない所まで

いくので、この辺で。。。

・・・ちなみに私も3年間くらい友釣りやってました(*^^)v

 

 

以下は、当然釣り上げたものと言いたいとこですが、

地元スーパーで購入した、養殖アユの天然仕上げです。

天然仕上げアユは、出荷する前の2週間程度を川に放ち

自然化で育てるようです。

天燃鮎と、養殖鮎は味の違いはもちろんですが、何より

見た目が違います。

養殖鮎は、どうしてもぼってりとした体系で、遊泳力が

低い為か、各ヒレが小さくなり、色も黒っぽくなります。

これは鮎に限らず、海水魚の養殖物でも同じです。

 

今回の天然仕上鮎は非常によくできていて、たった数週間

自然下に帰すだけで、色は天然ものに近く、なにより頭の

後ろにある通称“追星”黄色く楕円になった柄が、出ています。

 

これは天然鮎の場合、攻撃的な鮎であればある程、はっきりと

模様が出るようです。

残念ながら、養殖ものは白っぽく、薄い色になります。

 

素焼きにしていきます。

煮崩れと適度な焼き色を付けるために、素焼きにします。

強火でサッと焼くのではなく、中火以下で乾かすように焼く

ことがポイントです。

ここで炭火で焼くと尚良いです(*^^)v

でもその場合は、甘露煮になる前に食べてしまいますね。

 

骨まで柔らかくします。

圧力鍋で、15分程度似ていきます。

煮る時は番茶を使います。番茶で煮ることにより、

魚の嫌な臭いを抑えることが出来ます。

なければないで、水で煮て大丈夫です。

 

下味として、砂糖を少し加えます。

 

この工程で、頭から尾まで全て柔らかくなります(^o^)

圧力鍋の煮込み時間を終わったら、急に圧はぬかず、

おもりが下がるまで放置します。

 

そして、最終の煮込みとなります。

煮た番茶は使いません。魚のうま味が出てるように思いますが

表る程でません。番茶効果か?

 

酒、しょうゆ、みりん、水飴、砂糖で焦がさないように

煮ていきます。

 

 

煮始め

 

あと一息

 

ほぼ完成。

全ての煮汁を煮切ります。

そしてここからが肝心。

火からおろしたタイミングで、団扇でおもいきり仰ぎ、

表面温度を下げます。

そうすることで、表面にコーティングされた煮汁の層が

垂れずに、つやっつやな仕上がりになります。

 

冷めた方が美味しいでーす(*^^)v

 

これは10月~11月くらいに作ったもので、この時期の

鮎は落ち鮎といって、卵がパンパンに入っています

 

身の味は全盛期より少し落ちますが、甘露煮はやっぱり

この卵が美味しい気がします。

ししゃもよりパンパンです。

 

鮎は年魚と呼ばれ、一年で一生を終える魚です。

また、生息域もは広いですが、綺麗な水の所でしか、

育たない、綺麗好きなお魚です。

 

縄張りを持つという、独特な習性もさることながら、

琵琶湖の鮎は大きくならず小鮎のままで一生を

終えるなど、特殊なお魚です。

 

川魚は魚臭く、苦手というかもおおいですが、鮎は

コケを食べているからか、別名キュウリウオと呼ばれるほど

火を通す前は香しいスイカ等に通じる臭いがします。

苦手な方も多いですが、内臓の苦みも格別です。

 

これからの季節鮎料理の全盛期ですので、一度機会が

あれば味わってみてください。ちなみに、天然鮎は釣り人

の特権といえるほど、超高級魚です。

 

昔は生息数が多かったみたいですが、環境汚染の影響で

鮎が住めなくなった川も多く、個体数が少ないので、高価に

なっています。

 

我々の地元猪名川も一時は鮎はいないといわれていましたが、

河川改修工事等で、近年少しずつ戻りつつあるようです。

人が汚したものを、人がまた手を入れて直す。

 

鮎の住める綺麗な川を今後も保っていきたいものですね(*^^)