コノシロという魚がいます。
出世魚として有名な魚で、
シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロ、トドと、大きくなるにつれ名前の変わっていく魚の代表格です。
「トドのつまり」行き着くところの様。という風につかう言葉もこの魚の名前から来ています。
初夏に出るシンコなんかは、江戸前寿司の名店には必ずと言っていほどおいてあり、その身の小ささから、職人の腕の見せ所なんていわれており、お店によって大きく味の違いの出る魚です。
ちなみに、シンコのサイズは頭から尾っぽまで4cm程度。
それを包丁で開くと、身の部分だけで2cm。
お寿司には、一貫に4、5匹を一度に盛ります。
少しの時期しか食べられないので、もし機会があれば食べてみてくださいね。
さて、今回は、とどのつまりのひとつ前。
15cmくらいのサイズの「コノシロ」です。
コノシロは、非常に安い魚ですが、脂がのっていて、適切に料理をすれば最高に美味しい魚だと思います。
ピカピカで、鱗が残っているものが鮮度が良いです。
お腹がでっぷりしたものが、脂が良くのっています。
捌いていきます。
通常の青背魚の3枚卸ですが、腹の部分は小骨が多いため、大きく斜めに切り落としてしまうところがポイントです。
丸っこい体系がシャープになっているのがわかりますでしょうか・・・
3枚におろし、腹骨をすき取ります。
全体的に白っぽく…
特に、背側の身が白っぽくなっているのが、油ののっている証拠です。
塩を多めに打っていきます。
油の強い魚ほどたっぷりと塩をします。
塩辛くなりそうですが、浸透圧で魚の水分が抜け、塩は思ったより入り込みません。ドカッと豪快にいきましょう。
30分程度冷蔵庫内で休ませます。
塩漬けが終わったら、サッと流水で洗い流し、しっかりと水分をふき取ります。この時点でかなり身の水分は抜け、固く身がしまっています。
酢に付け込んでいきます。
これも流儀がありますが、私は少しだけ水を入れて、酢を薄めて使います。希釈せずに使うと、酢の締める作用が強すぎて、身の仲間でカチカチになってしまうからです。
どちらかというと、表面だけ締まって、中はレアで仕上げた方が、見た目も味も良いと思います。
ただし、日持ちはしないので、注意。
スダチと、唐辛子を入れます。
1日冷蔵庫内で漬けて、酢締めは完了です。
この皮目の銀が、綺麗に出ると完璧です。
コノシロは非常に小骨の多い魚です。
小骨といってものどに詰める程ではなく、非常に細かな骨が、数えきれないほど入っています。もちろん毛抜きで抜く事も不可能です。
ということで、皮目から飾り包丁を兼ねて、骨きりして盛り付けます。小骨のここちよいポリポリとした食感を楽しむものとなります。
軽くワサビ醤油でいただきますが、脂ののっているこの季節のコノシロは、他の青背魚を凌駕する美味しさですよ(*^^)v
さて、後日またしてもコノシロが手に入りました。
同じくキズシにするため、塩をしています。
今回は脂の乗りがいまいちです。
産地の違いかなー
今回、身だけでは無くて、捌いた後の骨で煮干しも作ります♪
骨を塩漬けにして、茹でて、干すだけです。
煮干しをやってる間に、塩漬けは終了です。
今回は、シークワーサー酢と、生姜甘酢に漬け込みます。
こんな感じ。
沖縄産シークワーサー果汁入り、昆布酢漬け。
新生姜エキスたっぷり、甘酢。
漬け込みが終わったら、切り目を入れて、押し寿司にしていきます(^^)
紫蘇、コノシロ、生姜
ご飯は後から載せます。
押し寿司は具材が下ですよ!(*^^)v
酢飯を載せます。
酢飯は、スダチの皮をすりおろしたものを加えています。
巻きすで、しっかりと体重を掛けて、締めあげます。押しがあれば尚良し!
この状態で、1時間程度、常温で寝かし、酢飯と魚をなじませます。
甘酢の方も、盛り付けていきます。
スダチ果汁が良く合います。
横に、自家製ピクルスを添えます。
押し寿司を切り分けます。
少しセンターがずれてしまいましたが、
非常に良い出来です(*^^)v
小豆島のお土産でいただいた、オリーブそうめんと、コノシロのキズシ定食の完成です(*^^)v
キズシの横に添えている、もろみのようなものは、三升漬けといって、青唐辛子と醤油と麹を発酵させた万能調味料です。もちろん手作りです ^^
1匹、50円に満たない魚でも、料理と工夫で非常に美味しい料理に仕上がりますので、おすすめです!!
安い魚といわないで、手をかけて、料理してみてください(*^^)v